最近知ったこと。
それは、普段なかなか笑わないあんたがあの人の前では無邪気に微笑むこと。

「ねえ。乾先輩は海堂先輩の笑顔って、見たことある?」
「…あいにく、見たことないな。」

乾先輩は少し寂しそうな笑顔を向けて言った。
いつも海堂先輩と一緒にいる乾先輩でも見たことはないらしい。正直驚いた。
じゃあ、なぜあの人の前ではあんなに優しそうな笑顔を見せるの?

「越前も海堂の笑顔見たいのか?」
「“も”って、あんたもなんっスか?」
「まあね。」

乾先輩が海堂先輩のことどう想ってるかなんて俺には関係ないこと。
でも、もしかしたら俺と乾先輩の海堂先輩に対する想いって…。

「あんたも海堂先輩のこと好きなんっスか?」
「…ああ。」

乾先輩はそう一言だけ言った。
そうか、この人もか…。
でも、確にそうなんじゃないかと薄々は気付いていた。
だって、あんたの海堂先輩を見つめている目はとても愛しそうだから。

「ねえ。越前はさ、なんで海堂は桃を選んだと思う?」
「…さあ?」      
つか、そんなこと知りたくもないよ。
でも、これだけは分かる。
海堂先輩は桃先輩じゃなきゃだめなんだということ。
そして、きっと桃先輩も…。

そして、俺が海堂先輩に目線を送ったとき、海堂先輩は笑っていた。
隣には当然のように桃先輩の姿があった。
桃先輩の海堂先輩を見つめる目はとても優しく見えた。

俺は少しでもいいからあなたの笑顔を俺だけの物にしたかった。
でも、それはけして叶わぬ夢。
そして、この想いが届くこともないだろう。
もし届いていたとしても、あなたはあの人に見せているような笑顔を俺にもくれますか?


なんか切ないね・・・。
リョマさん・・・。
ま、恋せよ少年ってことで頑張ってください。
だけど、蘭夜的にリョマさん攻めはちょっと・・・。(だってキメさん・・・/そっちか・・・)

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